長年、医師の転職は売り手市場と言われています。
このページでは、医師の転職に有利な状況や地域傾向、
満足できる求人とは何かを紹介しています。

医師の転職は売り手市場

目次

1人につき5つの医療機関から求人がある

1人につき5つの医療機関から求人がある

社会問題として医師不足が取り上げられているように、医師の転職は現在、売り手市場(求人数が転職希望者数を上回った状態)です。この傾向はしばらく続くと言われ、厚生労働省によると、2018年10月時点で医療関連(医師、薬剤師など)の有効求人倍率は5.47倍。つまり、1人の転職希望者に対し5件の求人がある計算になります。ちなみに、一般の職業の有効求人倍率は1.62倍です。1人の転職希望者に対し、1件程度しか求人が無いという状況です。このことから、医師の転職は極めて有利な状況といえるでしょう。

しかし、だからといって転職を考える医師にとって魅力的な職場に出会えるとは限りません。医療関連の求人数が増える分、選別も一苦労です。「規模拡大のため医師募集」「前任者が自己都合で離職した」「労働環境が悪い」「経営状態が思わしくなく、給与に反映されない」「最新の医療機器不足」など、さまざまな理由により募集をかける求人があるためです。

仕事よりも家族を優先したい医師は当直を避けますが、若手医師の場合は臨床の経験を重ねたいなど、医師によってニーズは色々にあります。このように、求人が出た背景と医師のニーズはそれぞれあるので、マッチングするにも大変そうに思われがちです。そのため、転職をした後のキャリアプランをしっかりと描いておくことが大切です。その上で、自分に合った求人を見極めましょう。

都道府県によって求人の背景が違う

都道府県によって求人の背景が違う

地域による転職傾向は、都道府県によって違います。最新の医療機関が集中している東京を例に挙げると、医療自体の機能が細分化され、専門のクリニックがあり、求められるスキルや専門性が高くなっています。また、小規模な診療所やクリニックも多く、他の地域に比べて大病院や中核病院への一極依存度が低いため、求人数は少ないと言われています。

一方、同じ首都圏内にある埼玉はベッドタウンとして、患者が夜間に集中します。このことから、当直が激務になりやすく、常に人材不足となっている現状です。そのため、埼玉は急激な経済発展を遂げる成長スピードに医療の拡充が追いつけない状態で、スキルよりも稼働を重視します。常に医師を採用をする医療機関が多く、若手医師が集まりやすいのです。

地域によっては、大学医局の影響力に注意する必要がります。転職を成功させるためには、エリアごとに異なる転職動向を知ることが大切です。今は、医師の転職に有利な状況ではあるものの、転職自体が楽なわけではなく医師の転職に関する活動をサポートしてくれる転職支援サービスが人気を集めています。これは、人材の確保が急がれている現状があるからです。

長い目で見て優先度を考える

長い目で見て優先度を考える

転職で満足できなかったと言われる要因は、収入や労働条件、人間関係など色々あります。また、転職前に考えていなかった医療機関側の方針や理念、立場など、予想外のこともつきものです。そのため、転職を成功させるには、予想外のことがつきものということを理解し、希望の優先順位を決めておくことがポイントです。専門分野を十分に極めたいのであれば、症例数の多さを最優先にして転職先を探しましょう。好条件(年収・勤務時間・当直回数)に惑わされず、長期の視点で考えてください。

また、長きにわたる医師人生を見据えると、今は転職する時期でない方もいます。その判断は自分自身でするしかありません。本当に優先しなくてはならない条件を見極め、キャリアプランを練ることが重要なポイントとなります。さらに、自分の資格や実績などが客観的に医療機関側にどう評価されるかを冷静に把握しなくてはいけません。卒後6年で年収1400万円、週4日勤務、当直なしなどの希望であったとしても、一致する病院は少ないと思われます。卒後6年の相場は年収1200万円前後で当直ありがほとんどです。この年代には積極的に診療に関わってほしいと病院側は考えるのが一般的であるためです。

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