医師が円満に退局するためのカギは何でしょうか。
ここでは、前もって転職の意向を伝えたり、
周囲の状況を見計らうことの大切さについて紹介します。

円満な大学退局のための3つのカギ

目次

前もって退局の意向を伝えよう

前もって退局の意向を伝えよう

円満な退局のためには、いきなり退局の意思を伝えることはできるだけ避けた方が良いでしょう。医療機関は組織として機能しているので、医師が1人いなくなるだけで回らなくなり、大きな調整が必要となってしまいます。役職なしの場合ならば半年~1年前に、准教授や講師なら2年程度前には退局の意思を伝えましょう。9月頃に来年度の人事を決定するのが一般的なので、それに合わせて意向を伝えておくと人事の担当の融通が利きやすく、円満に退局できる確率も高くなるでしょう。知り合いに円満退局をした医師がいたら、参考までに流れを聞いておくのも一つの手です。

逆に、教授の側に立って考えると、医局員が辞めるということは自分のマネジメント能力を疑われるということでもあるので、事前に根回しをしておきたいと考えるのが当然です。しっかりと調整してもらうためにも、医局長や教授と話し合い段階を踏み、早めに行動をしましょう。

周囲の動向を確認し、タイミングを見計らう

周囲の動向を確認し、タイミングを見計らう

転職を始めるにあたり、退局を切り出すタイミングも非常に大切ということも知っておきましょう。もしも、自分と同じような役割を担っている同僚が先に退局の意志を教授に伝えていたとしたら、教授は同じタイミングで2人の医師を失うことになります。この場合は円満な退局が難しくなる可能性が出てきます。その一方で、教授が変わるタイミングは退局しやすい時期です。これは、旧体制の医師が辞めても自分の責任と見られにくいからです。

転職先が決まってから教授にその旨を伝えても、間近になってからやはり認めないと言われて揉めてしまうこともありです。結果、その医師は医局に残ることになり、そのような形で医局に残ったということで、不満を抱えて働き続けることになります。 周囲の動向をしっかりと確認し、今が切り出すべきタイミングなのか十分に見計らいましょう。

熱心な引き留めに負けない、退局理由を準備しましょう

熱心な引き留めに負けない、退局理由を準備しましょう

医師の中には、内定をもらっているのに入職しないケースがあります。主な理由として、転職意思が強くなかったことが要因です。現在勤めている医療機関から受けた熱心な引き留めに負けてしまい、転職を断念してしまうのです。これでは、内定先に迷惑をかけてしまったり、よくない噂が出てしまいます。転職の意思を貫けるのか事前に考えた上で、決意しましょう。

理想的な退局理由は、大学では経験できないことや転居や家庭の事情を理由にすることが望ましいでしょう。大学ではどうやっても解消できない理由を挙げてしまえば、教授も首を縦に振るしかないのです。医局は人材の流出を恐れ、解消できてしまう退局理由ではその引き留めをなかなか突破できません。医局ごとに退局ルールが異なるので、退局した先輩医師の例を確認したり、助言を受けましょう。民間施設では3か月前までの申し出が多いのですが、雇用契約書の確認をしてください。また、退職と入職の間に空白期間ができてしまうと厚生年金から国民年金に切り替える必要が生じるので手続き関連にも注意して進めましょう。